新築住宅の間取りを考えるとき、「ここにエアコンを付けよう」と室内機の位置まで考える方は多いと思います。

では、もう一つ質問です。

そのエアコンの室外機は、どこに置きますか?

実は住宅を設計する側からすると、こちらの方が難しいことがあります。

特に吹田市のように敷地に限りがある住宅では、「室外機が置けるスペースを確保したい」一方で、「そのために建物を小さくすると、LDKや収納が狭くなる」という問題が起こります。

さらに現在、私たちが気にしているのが、2027年度から始まる家庭用エアコンの新しい省エネ基準です。いわゆる「エアコン2027年問題」です。

ただ、今回お伝えしたいのは、「2027年から室外機が全部大きくなる」という話ではありません。むしろ各メーカーの過去のエアコンまで調べてみると、もっと複雑で、住宅を設計する立場として考えさせられる問題が見えてきます。

この記事でお伝えしたいこと

  • 「エアコン2027年問題(省エネ法トップランナー制度・APF基準改定)」の正確な意味
  • 過去17年間の室外機寸法データ(三菱・霧ヶ峰の検証)とメーカーの小型化努力
  • 同じ10畳用でも横幅が約14cm違う(パナソニックJシリーズ幅655mm vs Cシリーズ幅799mm)現実
  • 吹田市の敷地事情:建物寸法を15cmいじめるリスクと室外機後回しの落とし穴
  • 「今置けるか」だけでなく「10年後・15年後に交換できるか」から逆算する設計思想

そもそも「エアコン2027年問題」とは?

家庭用エアコンでは、2027年4月から新しい省エネ基準がスタートします。省エネ法の「トップランナー制度」に基づくもので、家庭用エアコンにも、これまでより高い省エネ性能が求められるようになります。

例えば一部の壁掛け形エアコンでは、2010年度基準のAPF5.8から、2027年度基準ではAPF6.6へと基準が引き上げられます。APFとは「通年エネルギー消費効率」のことで、数字が大きいほど年間を通したエネルギー効率が高いことを意味します。

最近では、「2027年になると安いエアコンが販売できなくなる」といった表現も見かけます。しかし、新基準を満たさない個々の製品が2027年4月から一律に販売禁止になる制度ではありません。資源エネルギー庁も、2027年4月を理由に今すぐエアコンを買い替える必要はないと説明しています。

ですから、新築を検討している方が、「2026年のうちにエアコンを買わないと大変だ」と慌てる必要はありません。

では、なぜ住宅会社である私たちが2027年問題を気にしているのか。それが室外機の大きさと設置スペースです。

室外機は本当に年々大きくなっているのか?

最初は私も、「省エネ基準が厳しくなれば、熱交換器なども大きくなり、室外機は少しずつ大型化しているのではないか」と考えていました。そこで過去の製品まで遡って調べてみました。

すると、意外な結果でした。室外機が年々右肩上がりに大きくなっている、とは言えません。

例えば三菱電機の2.8kWクラス。2009年の霧ヶ峰ZXVシリーズの室外機は、高さ550mm×幅800mm×奥行285mmでした。そして2026年のZWシリーズ2.8kWも、高さ550mm×幅800mm×奥行285mm。基本となる外形寸法はほぼ同じです。

約17年間、省エネ性能や機能は進化しているのに、室外機の外形寸法をほとんど増やさずに対応してきたことになります。これは非常に興味深いところです。

メーカーは「大きくしない努力」を続けてきた

考えてみれば当然かもしれません。日本の住宅では、

  • 建物と境界の間
  • 狭い犬走り
  • バルコニー
  • 建物裏側

など、限られた場所に室外機を置くケースが少なくありません。いくら省エネ性能が高くても、「大きすぎて置けないエアコン」では商品として使いにくい。そのためメーカー各社は、圧縮機、モーター、ファン、熱交換器、制御技術などを進化させながら、できるだけ室外機を大型化させずに性能を上げてきたと考えられます。

実際、現在でもコンパクトな室外機を採用した商品は多くあります。つまり、省エネ性能が上がる=必ず室外機が大きくなる という単純な話ではありません。

しかし、同じ10畳用でも室外機サイズはこれだけ違う

一方で、現在の商品を見ると別の問題も見えてきます。

例えばパナソニックの2026年モデルで、同じ10畳用・2.8kWクラスを比較してみます。

■ スタンダードなJシリーズ「CS-J286D」
・高さ539mm × 幅655mm × 奥行275mm
・2027年度省エネ基準達成率87%
・APF5.8

■ 2027年度省エネ基準を100%達成するCシリーズ「CS-C286D」
・高さ630mm × 幅799mm × 奥行299mm
・APF6.6

となっています。もちろん、JシリーズとCシリーズは別の商品です。「2027年基準をクリアするために室外機を144mm広くした」と単純に結論づけることはできません。

ただ、住宅設計という視点から見ると非常に重要な事実があります。同じメーカー、同じ10畳クラスでも、室外機の幅は655mmと799mmで約14cm違います。

問題は「2027年から大きくなる」ことではない

ここで私たちが考えているのは、2027年になった瞬間、室外機が一斉に大型化するということではありません。過去のデータを見る限り、メーカー各社はむしろ、室外機を大きくしないよう技術開発を続けてきました。今後も技術の進歩によって、省エネ性能を高めながらコンパクトな室外機がつくられる可能性は十分あります。

しかし住宅は、エアコンよりはるかに長く使います。新築時に取り付けたエアコンを、10年後、15年後に交換することもあるでしょう。そのとき、今と同じ大きさの室外機を自由に選べる保証はありません。

ここが、住宅を設計する側として気になるところです。

省エネ基準は「今」で終わるわけではない

2027年度基準をクリアしたら、エアコンの省エネ性能向上がそこで終了するわけでもありません。トップランナー制度では、目標年度を迎えた機器について必要に応じて基準の見直しが行われます。

住宅の省エネ性能についても同様ですが、これから先、「もっと省エネにしなくてもいい」という方向を前提に住宅を設計するより、今後もより高い効率が求められる可能性を考えておく方が自然でしょう。

メーカーも当然、技術によって室外機のサイズを維持しようとするはずです。しかし熱交換器、ファン、圧縮機などを限られた筐体の中に納めながら、省エネ性能、能力、静音性、価格などをすべて成立させなければなりません。どこまで技術で吸収できるのか。将来、ある性能水準を境にして、室外機を一段大きくするという選択が必要になる商品が出てくる可能性も否定できません。

これは将来予測なので断定はできません。ただ、現在でも同じ10畳クラスで幅655mmと799mmの製品が存在している以上、「今のコンパクトな機種がギリギリ置ければいい」という設計に頼りすぎるのは少し怖いと感じています。

だからアイワホームでも設計寸法を見直しています

実はアイワホームでも現在、室外機スペースを現行のコンパクトな機種ギリギリの寸法だけで考えないようにしようと、設計担当に指示しています。

ただし、ここで話は簡単には終わりません。「だったら室外機スペースを広く取ればいい」と言われれば、その通りです。土地に十分な余裕があれば、それが理想です。

ところが、アイワホームが住宅を供給している吹田市では、敷地条件に余裕がない住宅も少なくありません。建物と境界の間をあと15cm広げる。数字だけを見ると、わずか15cmです。しかし、その15cmを確保するために建物を15cm小さくすると、

  • LDKが狭くなる
  • 収納が小さくなる
  • 洗面室が狭くなる
  • 階段や廊下の納まりが変わる
  • 希望していた間取りが成立しなくなる

ことがあります。室外機のために建物をいじめすぎると、今度は「住みやすい家」ではなくなってしまう。これが非常に難しいところです。

逆に室外機を無視すると「どこに置くの?」となる

では、室内の間取りを最優先して、室外機を後回しにすればいいのか。もちろん、それも違います。

LDKも広い。収納も十分。各部屋もきれいに納まった。でも家が完成してから、「この部屋のエアコン、室外機はどこに置くんですか?」となれば困ります。

特に3階建てでは、

  • 3階から1階まで配管を下ろす
  • バルコニーに室外機を置く
  • 外壁に長い化粧カバーが付く
  • 将来の交換時に室外機をどう搬出するか

まで考える必要があります。

また、室外機は本体寸法だけ確保すればよいわけではありません。吸込みや吹出し、配管、メンテナンスなどのためにメーカーが定める設置スペースも必要です。三菱電機も、設置状況によって能力が低下することがあり、所定の設置スペースが必要だと案内しています。

「室外機を優先する」でも「間取りを優先する」でもない

ここまで考えると、結局のところ正解は、室外機スペースを最大限取ることでも、建物を最大限大きくすることでもありません。

限られた敷地の中で、

  • 駐車場も必要
  • 自転車も置きたい
  • 玄関アプローチも必要
  • LDKも広くしたい
  • 収納も欲しい
  • 水回りも使いやすくしたい
  • そして室外機も置かなければならない

それらを一つずつ調整して、その土地で一番暮らしやすいバランスを探す。これが住宅設計なのだと思います。

「今置けるか」ではなく、「将来も選べるか」

今回、各メーカーの過去から現在までの室外機を調べてみて、私自身も少し考えが変わりました。室外機は、省エネ性能の向上に合わせて単純に年々大型化してきたわけではありません。メーカー各社は技術によって、できる限りサイズを抑えてきています。これは安心材料です。

しかし一方で、現在でも同じ能力帯で室外機サイズには大きな差があります。だから新築住宅では、「今選ぼうとしている一台が置けるか」だけではなく、「10年後、15年後にエアコンを交換するとき、室外機の寸法だけで選択肢を極端に狭めないか」という視点も持っておきたいところです。

ただ、そのために今の暮らしを犠牲にしてまで建物を小さくする必要があるのか。そこには一律の答えはありません。土地によって違います。間取りによっても違います。どんなエアコンを想定するかによっても違います。だからこそ、住宅の設計段階から考える必要があります。

エアコンは、家が完成してから購入する家電です。でも、そのエアコンを10年後、15年後も無理なく交換できる家にしておくことは、今の設計の仕事です。

新築住宅の間取りを見るとき、「ここにエアコンが付きます」だけではなく、「その室外機はどこに置くのか。そして将来交換するときも大丈夫なのか」そこまで一度考えてみてほしいと思います。

今 利之(こん・としゆき)
アイワホーム株式会社 マーケティングディレクター
2005年入社、吹田の地で21年。新築営業・リフォーム・メンテナンス、賃貸、工事部門など、現場の最前線で歩んできました。


■ 1日でも早く、理想の暮らしへ 🏃💨
好条件の物件は、検討される方が重なる傾向にあります。
「まずは話を聞いてみたい」という気軽な気持ちで、一歩踏み出してみませんか?

【公式LINEで気軽に相談】
物件の詳細や、内覧のご予約はLINEが一番スムーズです。
👉 https://lin.ee/HTvVmlL

【アイワホーム公式サイト】
施工事例を見て、新しい暮らしのイメージを膨らませてください。
👉 https://aiwahome.com/

■ 吹田の「今」をチェック!
吹田を愛する私たちが運営する、地元の耳寄り情報サイトです。

吹チャン!: https://suichan.jp/ 📢

■ 公式SNSでルームツアー公開中 🎥
Instagram: https://www.instagram.com/aiwahomesuita/

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC4TWLt5U3X3ls6mDPsYIY8A

アイワホーム株式会社
本社:大阪府吹田市高浜町9-9 アイワステーションビルⅤ号館
フリーダイヤル:0120-359-395
※創業36年、吹田の地で家族の暮らしに寄り添う住まいづくりを。

アイワホームの
建売・分譲地

吹田にこだわった厳選物件 を
日々更新中です
気になる物件は 今すぐご見学予約を 
おススメします!