こんにちは。
吹田市で住宅・不動産の仕事に携わっている、アイワホームの今です。

土地を探していると、同じようなエリア、同じくらいの広さでも、価格が数百万円違う物件を見かけることがあります。

たとえば、次のような2つの土地があったとします。

  • Aの土地:2,500万円
  • Bの土地:2,800万円

土地価格だけを見れば、Aの土地の方が300万円安く、予算にも余裕が生まれそうです。しかし、家づくりでは必ずしも、

土地価格が安い土地 = 総額も安い土地

になるとは限りません。

道路が狭い、高低差がある、古い建物が残っている、水道管を引き直す必要があるなど、土地の条件によって建築前後の工事費が変わるからです。場合によっては、土地価格が安かったはずのAの土地に追加工事費が重なり、最終的な総額ではBの土地とほとんど変わらなくなることもあります。

実際、土地探しのご相談をお受けしていると、「価格だけを見て決めたら、後から想定外の工事費が出てきた」というお話をうかがうことも少なくありません。

今回は、吹田で土地を購入する前に確認したい「建築総額が高くなりやすい7つの土地条件」を、住宅会社の実務目線で解説します。

この記事でお伝えしたいこと

  • 土地代と建物代以外にかかる「土地によって変わる隠れた費用」の内訳
  • 古家・地中埋設物・擁壁・小運搬・歩道切り下げ・水道引込み等の追加コスト要因
  • 地盤改良リスクや広すぎる土地が招く意外な外構費用膨らみの罠
  • 土地比較で失敗しない「住める状態の総額」シミュレーションの考え方
  • 「条件がある土地=悪い土地」ではない理由と後悔しない契約前のチェック3項目

そもそも「建築総額」には何が含まれる?

土地を買って家を建てるために必要なお金は、土地代と建物本体価格だけではありません。大きく分けると、次のような費用が必要です。

■ 土地取得にかかる費用

  • 土地代
  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 印紙代
  • 不動産取得税
  • 住宅ローン関係費用

■ 建物にかかる費用

  • 建物本体工事費
  • 設計・申請費用
  • 屋外給排水工事
  • 電気・ガス工事
  • 地盤改良工事
  • 外構工事
  • 照明・カーテン・エアコンなど

住宅購入では、物件価格のほかに仲介手数料、登記費用、不動産取得税、住宅ローンの諸費用など、物件価格の数%〜1割前後の諸費用がかかるのが一般的です。必要額は取引条件や物件によって異なるため、個別の確認が必要です。

さらに注文住宅の場合は、土地ごとに異なる工事条件があります。この「土地によって変わる費用」を購入前に把握できているかどうかが、予算オーバーを防ぐ重要なポイントです。

条件1 古い建物や工作物が残っている

土地として販売されていても、現地に古い建物が残っている場合があります。この場合は、土地代とは別に解体費用が必要です。

また、建物を解体すれば終わりとは限りません。

  • 地中に古い基礎が残っている
  • コンクリートや浄化槽が埋まっている
  • ブロック塀や擁壁を撤去する必要がある
  • 植木や庭石が多数残っている
  • 隣家と建物が近く、手作業での解体が増える

こうした条件によって、工事内容が変わることがあります。

「古家付き土地」と書かれている場合は、解体費用だけでなく、地中に残っているものや隣地との距離まで確認する必要があります。売主側で更地にして引き渡すのか、買主が解体するのかも、契約前に確認しておきたいポイントです。

条件2 道路が狭く、工事車両が入りにくい

吹田市内には細い道路が残っている地域があり、接道・セットバックの問題だけでなく、道路の条件は工事費にも大きく影響します。

通常の建築現場では、トラックで資材を運び、クレーンなどを使って材料を建物内へ搬入します。しかし、前面道路が狭い、途中に急な曲がり角がある、電柱があるなどの理由で大型車両が進入できない場合があります。

その場合は、

  • 小型車両への積み替え
  • 複数回に分けた材料搬入
  • 人力による小運搬
  • 道路使用に関する調整
  • 通行誘導員の配置

などが必要になる可能性があります。土地を見るときは、土地の前だけを見るのではなく、幹線道路から現地までの進入経路も確認することが大切です。

条件3 歩道や側溝を工事しなければ車を入れられない

土地の前面に歩道がある場合、車庫をつくっても、そのままでは車が敷地へ入れないことがあります。歩道の縁石やL型側溝を切り下げ、車両の乗入口を新設する工事が必要になるためです。

道路法第24条に基づき、民有地から市道への車両乗入口を設置するために歩道や側溝を切り下げる場合は、道路管理者の承認を受け、自治体ごとに定められた構造基準に従って施工する必要があります。工事費用は原則として申請者の負担です。

ここで確認したいのは、工事費だけではありません。

  • 希望する位置に乗入口を設置できるか
  • 街路樹や標識、電柱が支障にならないか
  • 歩道のインターロッキングを復旧する必要があるか
  • 車庫前の勾配が急にならないか
  • 車の出入りに必要な幅を確保できるか

なども確認します。土地の間口が広く見えても、実際に車が出入りできる範囲が限られる場合があります。

条件4 水道管や下水管の引込みに工事が必要

土地の前まで水道管や下水管が来ているからといって、そのまま新築住宅で使えるとは限りません。

確認する必要があるのは、

  • 敷地内に引込管があるか
  • 既存管の口径が十分か
  • 古い管をそのまま使用できるか
  • 引込み位置が新しい建物計画に合うか
  • 私道を掘削する必要がないか
  • 下水道へ自然勾配で排水できるか

といった点です。

吹田市では、給水装置工事は市の指定を受けた事業者へ依頼する必要があり、工事内容と費用は事前に十分確認するよう案内されています。給水装置工事に関する費用は、原則として工事の申込者(給水装置の所有者等)の負担です。

新しい引込管が必要な場合や、道路を掘削する必要がある場合は、一般的な宅地内配管だけでは収まらないことがあります。中古住宅や古家付き土地では、「以前の家で水道を使っていたから大丈夫」と判断せず、新しい建物で必要な水量や配管計画まで確認することが重要です。

条件5 道路と土地に高低差がある

吹田市内には、平坦な土地だけでなく、道路より敷地が高い土地や低い土地もあります。高低差がある土地では、次のような工事が必要になる可能性があります。

  • 土の搬出・搬入
  • 掘削工事
  • 擁壁工事
  • 深基礎
  • 階段やスロープ
  • 土留め工事
  • 排水対策
  • 残土処分

特に注意したいのが、既存の擁壁です。見た目がしっかりしていても、現在の建物計画でそのまま利用できるとは限りません。擁壁の構造、築造時期、確認申請や検査の記録、ひび割れ、傾き、排水状況などを調査し、再利用できるかどうかを判断する必要があります。

高台の土地は、日当たりや眺望に恵まれることがあります。しかし、土地価格だけで比較するのではなく、高低差を処理するための工事まで含めて検討することが大切です。

条件6 地盤改良が必要になる

建物を建てる前には、地盤調査を行います。調査の結果、そのままでは建物を安全に支えられないと判断された場合は、地盤改良工事が必要です。

地盤改良の方法や費用は、

  • 建物の大きさ
  • 木造2階建てか3階建てか
  • 地盤の強さ
  • 軟弱地盤の深さ
  • 敷地内へ施工機械が入れるか
  • 採用する改良工法

などによって変わります。

土地購入前に地盤調査ができないケースも多いため、資金計画上は「地盤改良費がゼロであること」を前提にしない方が安全です。近隣の地盤データや過去の施工実績からある程度の傾向を確認し、必要になる可能性がある費用として予算を確保しておきます。

条件7 外構工事が想定以上に必要になる

建物本体の見積もりに目が向きやすい一方で、予算から抜けやすいのが外構工事です。外構工事には、次のようなものがあります。

  • 駐車場のコンクリート
  • 玄関アプローチ
  • 門柱・ポスト
  • フェンス
  • 境界ブロック
  • 宅配ボックス
  • 階段・手すり
  • 排水設備
  • 土留め
  • 植栽

平坦な整形地なら比較的シンプルにまとめられますが、高低差がある土地、間口が広い土地、道路との境界処理が必要な土地では、外構工事の範囲が大きくなります。土地が広ければ広いほど、必ず安く家を建てられるわけでもありません。敷地が広いことで、コンクリート、フェンス、境界工事などの施工面積が増えることもあるからです。

安い土地と高い土地を、どう比較すればよい?

土地を比較するときは、土地価格だけを横に並べるのではなく、次の金額を同じ条件で整理します。

【土地ごとに比較する項目】

  • 土地代
  • 土地取得の諸費用
  • 解体・造成費
  • 道路や歩道に関する工事費
  • 上下水道・ガスの引込費
  • 地盤改良の想定費
  • 建物本体・付帯工事費
  • 外構工事費
  • 住宅ローン・登記・保険などの諸費用
  • 入居に必要な家具・家電・引っ越し費用

Aの土地とBの土地に、同じ建物がそのまま建つとは限りません。セットバックや斜線制限、高低差などによって建物の形が変われば、建築費自体が変わる可能性もあります。そのため、できれば土地を契約する前に、簡単な建物プランと資金計画を作ることをおすすめします。

価格が安い土地を避ける必要はありません

ここまで読むと、条件のある土地はすべて避けた方がよいように感じるかもしれません。しかし、決してそうではありません。

高低差があるから眺望を確保できる土地もあります。道路が狭いから車の通行が少なく、静かに暮らせる土地もあります。古家付きだからこそ、希望エリアの土地を予算内で購入できることもあります。

大切なのは、土地の弱点を隠したまま購入することではなく、必要な工事と費用を理解したうえで、本当に予算内へ収まるか判断することです。追加工事費を含めても総額が安く、希望する暮らしを実現できるなら、その土地は十分に良い選択肢になります。

吹田で土地を買うときは「土地代」ではなく「住める状態の総額」で判断する

土地情報サイトでは、どうしても土地価格が最も目立ちます。しかし、土地を買うことが最終目的ではありません。その場所に家を建て、外構を完成させ、実際に暮らし始めることが目的です。

土地価格が予算内でも、建物や追加工事を含めると予算を超えるのであれば、安心して家づくりを進めることはできません。反対に、土地価格が少し高くても、

  • 解体が不要
  • 道路が広い
  • 高低差がない
  • 上下水道が整っている
  • 外構工事を抑えられる
  • 仲介手数料がかからない

といった条件がそろえば、総額では有利になることがあります。

アイワホームでは、土地価格だけでなく、道路、上下水道、高低差、建物プラン、外構、諸費用まで含めて、家づくり全体の資金計画を確認しています。

気になる土地を見つけても、すぐに購入を決める必要はありません。まずは、その土地に希望する家が建つのか。追加でどのような工事が必要なのか。実際に暮らせる状態まで含めると、総額はいくらになるのか。土地を契約する前に、この3点を確認してください。

吹田で後悔しない土地選びは、「一番安い土地」を探すことではなく、「総額と暮らしのバランスが最も良い土地」を見つけることから始まります。

今 利之(こん・としゆき)
アイワホーム株式会社 マーケティングディレクター
2005年入社、吹田の地で21年。新築営業・リフォーム・メンテナンス、賃貸、工事部門など、現場の最前線で歩んできました。


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