親から相続した古い実家。長年住んできた築40年、50年の自宅。

いざ売却を考えたとき、こんなふうに思う方は少なくありません。

「こんなに古い家なら、先に壊して更地にした方が売りやすいのでは?」

たしかに、建物を解体して更地にすれば、買う側も土地の形や広さを確認しやすくなります。

ただ、不動産の現場にいる私の立場から先にお伝えすると、解体業者へ連絡するのは、売却の査定を受けてからでも遅くありません。

今回は、吹田市で古い家や相続した実家の売却を考えている方に向けて、「先に壊すべきか、そのまま売るべきか」を整理します。

この記事でお伝えしたいこと(先に結論)

  • 古い家が建つ土地の売り方は「古家付き現況渡し」「更地販売」「契約後に更地渡し」の3択
  • 解体費(100万〜200万円以上)を先に負担するリスクと、更地化が有効なケースの判断基準
  • 解体で土地の固定資産税・都市計画税が上がる可能性(住宅用地特例1/6の解除)と管理不全空家のリスク
  • 居住用財産および相続空き家の「3,000万円特別控除」を受けるための解体時期・契約期限の注意点
  • 石綿(アスベスト)事前調査・建設リサイクル法の手続きと、吹田市の除却補助制度の条件

先に結論:「壊す」前に、売り方を3つ比べてください

古い家が建っている土地の売り方は、大きく3つあります。

  1. 古家付きのまま売る(現況渡し)
  2. 先に解体して更地で売る
  3. 古家付きで販売し、契約後に売主が解体して「更地渡し」にする

どれが正解かは、土地と建物の条件で変わります。そして、解体のタイミングによっては、固定資産税や譲渡所得の特例といった税金の扱いも変わる可能性があります。

だからこそ、最初にすることは「解体」ではなく「査定」です。

古い家が建っているのに、なぜそのまま売るの?

不動産情報を見ていると、「古家付き土地」と書かれた物件があります。

「どうせ新しい家を建てるなら、売主が先に壊せばいいのに」と思うかもしれません。

ところが、売主には大きな理由があります。それは、売れるかどうか分からない段階で、解体費用を先に負担しなくて済むということです。

建物を壊しても、土地の広さ、土地の形、接道条件、高低差、周辺環境が変わるわけではありません。100万円、200万円、それ以上の解体費をかけて更地にしても、希望する条件ですぐ売れるとは限らないのです。

だから「まず古家付きの状態で販売する」という売り方があります。

売り方は「古家付き」か「更地」の二択ではない

ここは意外と知られていません。

① 古家付き・現況渡し
建物を残したまま売却し、購入した人が必要に応じて解体します。

② 売主が先に解体して更地で販売
土地だけの状態にしてから売却活動を始めます。

③ 古家付きで販売し、契約後に売主が解体して「更地渡し」
買主が決まる → 売買契約 → 売主負担で解体 → 更地にして引き渡す、という流れです。

③なら、売れるか分からない状態で先に解体費を払う必要がありません。売主にとっては大きなメリットです。

更地にした方が売りやすいケースもある

もちろん、古家を残すことが常に正解というわけではありません。

  • 築年数がかなり古く、外観の傷みが激しい
  • 室内を見ると印象が悪くなる
  • 建物があるため、土地全体の形が分かりにくい
  • 境界付近や敷地の高低差を確認しにくい

こうした場合は、更地にした方が「ここに自分たちの家を建てる」というイメージを買主が持ちやすくなることがあります。建築側から見ても、何もない土地の方が建物の配置や駐車スペースを検討しやすいケースがあります。

ですから、「古家付きがいい」「更地がいい」と最初から決めず、物件ごとに判断することが大切です。

家を壊すと固定資産税が「6倍」になる?

古家売却の話になると、よく出てくるのが「家を壊したら固定資産税が6倍になる」という話です。これは少し注意が必要です。

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。吹田市の場合、住宅1戸につき200㎡以下の小規模住宅用地では、土地の固定資産税の課税標準が1/6、都市計画税は1/3になります。

そのため、住宅を解体して、1月1日時点で住宅用地ではなくなれば、原則としてこの特例が使えなくなります。

ただし「税額が必ず6倍になる」という意味ではありません。1/6になるのは固定資産税の「課税標準」で、実際の税額には負担調整措置などもあります。また、建物を壊せば、建物にかかっていた固定資産税はなくなります。

正確には、次のように考えてください。

建物を解体すると、土地の固定資産税・都市計画税が上がる可能性がある。

売却まで時間がかかりそうな土地の場合、この違いは無視できません。

だからといって、古家を放置すればいいわけでもない

「それなら税金のために建物だけ残しておこう」と思うかもしれません。しかし、空き家は適切に管理することが求められています。

2023年の空家法改正により、倒壊などの危険が差し迫った「特定空家」だけでなく、その前段階にある「管理不全空家」も制度の対象になりました。市から改善の勧告を受けた管理不全空家や特定空家の敷地は、住宅用地の特例が解除される可能性があります。

税金のためだけに、傷んだ空き家を残し続ける考え方にもリスクがあるのです。

自宅の売却なら「3,000万円特別控除」にも注意

今住んでいる自宅や、以前住んでいた家を売却する場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。

ここでも、先に家を壊してしまう場合は注意が必要です。建物を取り壊したあとに土地だけを売る場合でも特例を受けられる可能性はありますが、次のような要件があります。

  • 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 建物を取り壊した日から1年以内に、土地の売買契約を締結すること
  • 取り壊し後、その土地を貸したり他の用途に使ったりしていないこと

「とりあえず解体して、いつか売ろう」と考えていると、売却時期によっては税制上の選択肢に影響する可能性があります。

壊してから売り方を考えるのではなく、売り方を考えてから壊す方が安全です。

相続した実家なら、さらに確認してほしい制度がある

「親が亡くなり、誰も住まなくなった実家をどうしよう」というご相談も増えています。

一定の条件を満たす相続空き家には、売却時の譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」があります。主な条件は次のとおりです。

  • 対象となる譲渡は2027年12月31日まで
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 家屋が昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたものであること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続した人の数が3人以上の場合、控除額は2,000万円までとなること

2024年以降は、売却後に買主側で建物を取り壊す場合(または耐震改修をする場合)でも、譲渡日の翌年2月15日までに行われるなど一定の要件を満たせば対象になり得ます。

吹田市でも、この特例を使うために必要な「被相続人居住用家屋等確認書」を発行しています。

ここでもポイントは同じです。相続した古い家だからといって、売主が急いで先に解体しなければならないとは限りません。建築時期、相続した時期、建物の利用状況などで適用条件が変わりますので、解体する前に一度確認しておく方がよいでしょう。

古い家の解体は、昔より少し複雑になっている

もう一つ知っておきたいのが、現在の解体工事です。

建物を解体するときは、原則として石綿(アスベスト)を含む建材がないか、事前調査を行う必要があります。解体する建築物の床面積が80㎡以上の場合は、その調査結果を行政へ報告することも必要です。

また、80㎡以上の建物を解体する場合は、建設リサイクル法に基づき、工事着手の7日前までに届出が必要です(吹田市内の工事は吹田市への届出になります)。さらに吹田市では、解体工事の際に近隣向けの「お知らせ」を掲示するルールもあります。

今は「解体業者に電話して、すぐ壊して終わり」という話ではありません。建物の年代や構造、アスベストの有無、道路の条件などによって、必要な手続きも費用も変わります。

吹田市には古い木造住宅の除却補助もある(ただし条件あり)

吹田市には、古い木造住宅の除却工事費を補助する制度があります。令和8年度の内容は次のとおりです。

  • 補助額:除却工事費の4/5、上限50万円
  • 対象住宅:昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた木造住宅で、耐震診断の評点が1.0未満のもの(除却の場合は、「誰でもできるわが家の耐震診断」で7点以下の場合を含む)
  • 対象者:個人の所有者で、課税所得金額が507万円未満、かつ資産が1,000万円以下の方
  • 住宅の要件:「現在居住している、またはこれから居住しようとする」住宅であること
  • 手続き:工事の契約前に事前協議が必要

つまり「古い家なら誰でも50万円もらえる」制度ではありません。とくに、すでに空き家になっている実家の場合は、住宅の要件に当てはまるかどうかを個別に確認する必要があります。

また、補助は年度予算の範囲内で先着順です。2026年10月時点で、吹田市のページには令和8年度分は予算額に達したとの案内が出ています。制度は年度ごとに変わる可能性があるため、解体を検討するときは、契約前に必ず市の耐震担当(開発審査室)へ最新情報をご確認ください。

買う人にとっても「古家付き=悪い土地」ではない

ここまで売主側から見てきましたが、買主側にもメリットがあります。

古家が残っていれば、これまでどれくらいの大きさの建物が建っていたのかを現地で確認できます。建物の位置から、駐車場との関係、隣家との距離、日当たりなどをイメージしやすいこともあります。

また、売却条件によっては、古家付きだからこそ、価格や解体条件について相談できる場合もあります。

「古家付き土地=面倒な土地」とは限りません。大切なのは、誰が解体するのか、費用はいくらか、いつ更地になるのかを、売買契約の前にはっきりさせることです。

建物に価値がないことと、「今すぐ壊すべき」は別の話

築40年、50年の家を見ると、「建物にはもう価値がないから壊そう」と思うかもしれません。でも、建物の価値が低いことと、売却前に今すぐ解体した方がいいことは別問題です。

  • 古家付きのまま売る方がいい土地
  • 先に更地にした方がいい土地
  • 古家付きで販売して、売れたあとに更地渡しする方がいい土地

それぞれあります。売却を考え始めたら、まず次の3つを比べてください。

  1. 古家付きのままなら、いくらで売れそうか
  2. 更地なら、いくらで売れそうか
  3. 解体には、いくらかかるのか

特に相続した実家の場合は、固定資産税や3,000万円特別控除など、解体するタイミングで税金の扱いが変わる可能性もあります。

古い家を売ろうと思ったとき、最初にすることは「解体」ではなく「査定」。そのうえで、残す・壊す・売れてから壊すのどれがその物件に合っているかを決める。それが、古家の売却で余計な費用や後悔を減らす、一番現実的な進め方だと私は考えています。

よくある質問

Q. 古い家は、売る前に必ず解体しないといけませんか?
A. いいえ。古家付きのまま売る方法や、売れてから更地にして引き渡す方法もあります。売る前に解体するかどうかは、土地と建物の条件で判断します。

Q. 家を解体すると、固定資産税は必ず6倍になりますか?
A. 「必ず6倍」ではありません。住宅用地の特例が使えなくなることで、土地の固定資産税・都市計画税が上がる可能性があるという意味です。負担調整措置もあり、建物分の固定資産税はなくなります。

Q. 相続した空き家を売るとき、先に解体すると特例は使えなくなりますか?
A. 一定の要件を満たせば、解体後に売る場合も、解体せずに売って買主が解体する場合も、対象になり得ます。ただし、建築時期・相続時期・売却時期などの要件があるため、解体前に確認してください。

Q. 吹田市の解体補助は、空き家でも使えますか?
A. 対象は「現在居住している、またはこれから居住しようとする」木造住宅などの条件があり、すでに空き家の場合は個別に確認が必要です。また、令和8年度分は予算額に達したとの案内が出ています。契約前に吹田市へご確認ください。

※本記事は2026年10月時点の制度をもとに、一般的な考え方を紹介しています。税制・補助制度の適用可否は個別の条件によって異なります。税務については税務署・税理士、補助制度については吹田市などへご確認ください。

今 利之(こん・としゆき)
アイワホーム株式会社 マーケティングディレクター
2005年入社、吹田の地で21年。新築営業・リフォーム・メンテナンス、賃貸、工事部門など、現場の最前線で歩んできました。


■ 1日でも早く、理想の暮らしへ 🏃💨
好条件の物件は、検討される方が重なる傾向にあります。
「まずは話を聞いてみたい」という気軽な気持ちで、一歩踏み出してみませんか?

【公式LINEで気軽に相談】
古い家の売却、相続した実家のこと、まずは気軽にご相談ください。
👉 https://lin.ee/HTvVmlL

【アイワホーム公式サイト】
施工事例を見て、新しい暮らしのイメージを膨らませてください。
👉 https://aiwahome.com/

■ 吹田の「今」をチェック!
吹田を愛する私たちが運営する、地元の耳寄り情報サイトです。

吹チャン!: https://suichan.jp/ 📢

■ 公式SNSでルームツアー公開中 🎥
Instagram: https://www.instagram.com/aiwahomesuita/

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC4TWLt5U3X3ls6mDPsYIY8A

アイワホーム株式会社
本社:大阪府吹田市高浜町9-9 アイワステーションビルⅤ号館
フリーダイヤル:0120-359-395
※創業36年、吹田の地で家族の暮らしに寄り添う住まいづくりを。「吹田で暮らす、吹田で選ぶ。地元だからできる住まいのご相談を。」

アイワホームの
建売・分譲地

吹田にこだわった厳選物件 を
日々更新中です
気になる物件は 今すぐご見学予約を 
おススメします!