お盆になると、普段は別々に暮らしている家族や親戚が実家に集まる機会が増えます。
久しぶりにみんなで食事をして、昔の話をしているうちに、
「ところで、この家って将来どうするんやろ?」
そんな話が出ることがあります。
アイワホームは毎年、お盆期間中も営業しています。この時期になると実際に、
「親の家のことを兄弟で話したんですが、一度相談できますか?」
「まだ親は元気なんですけど、今のうちに何を確認しておけばいいですか?」
といったご相談をいただくことがあります。
私自身、これまで吹田で長く不動産や住宅の相談を受けてきましたが、お盆明けの時期にこうしたご相談が増える印象があります。ご兄弟で実家に集まったことがきっかけで、初めて「この家、どうする?」という話になった、というケースを何度も見てきました。
ただ、私たちがまずお伝えしたいのは、お盆の家族会議で「売る」「残す」「建て替える」まで決める必要はないということです。むしろ大切なのは、まだ急いで結論を出さなくてもいい時期に、「分からないこと」を少しずつ減らしておくこと。
そこで今回は、親の家が吹田市にある方に、お盆など家族が集まる機会に確認しておいてほしいことを7つにまとめます。
この記事でお伝えしたいこと
- 親の本心(将来の希望)をまず最優先で確認することの重要性
- 2024年4月義務化の相続登記(期限2027年3月末等)と土地建物の名義確認
- 権利証や図面、リフォーム資料等の保管場所と道路・境界線の把握
- 修繕履歴(屋根・外壁・増改築等)と家族間の「なんとなくこうする」の共有
- 空き家・管理不全空家の維持管理担当と、アイワホームの士業相談ネットワーク
1.まず「親はこの家をどうしたいのか」を聞いてみる
一番最初に確認したいのは、不動産の価格でも登記でもありません。今住んでいる親自身が、この家を今後どうしたいと思っているのか。ここです。
「できればずっとここに住みたい」
「いずれ施設に入ったら売ってもいい」
「子どもの誰かに住んでもらえたらうれしい」
「家は残さなくてもいい」
親によって考えはまったく違います。子ども側だけで「この家は売ることになるだろう」と考えていても、親はまったく違う気持ちを持っていることもあります。逆に親自身が、「子どもには家のことで苦労をかけたくない」と考えていることもあります。
だからこそ、元気なうちに一度聞いておく。結論を出すための話ではなく、親の気持ちを知るための話から始めてみてください。
2.土地と建物の名義を確認する
次に確認したいのが、土地と建物の所有者です。「親の家なんだから、当然親の名義だろう」と思っていても、実際に登記を確認すると、
- 土地は祖父の名義のまま。
- 土地は父親、建物は母親。
- 兄弟との共有名義。
- 昔購入した隣の土地だけ名義が違う。
というケースもあります。特に長く住んでいる住宅の場合、家族も現在の登記状況を正確に把握していないことがあります。
現在は相続登記も義務化されています。2024年4月1日から、不動産を相続したことを知った相続人には原則として3年以内の相続登記が求められるようになりました。義務化以前に発生した相続で登記が済んでいない場合も対象となり、一定の場合は2027年3月31日までが期限になります。
お盆の段階で難しい登記の話まで家族でする必要はありません。まずは、「この土地と家、今誰の名義になっている?」これが分かるだけでも大きな一歩です。
3.家に関する書類がどこにあるか確認する
これも、実際に相談を受けたときによく出てくる問題です。「書類はたぶん家のどこかにあると思います」という状態です。
売買契約書、建築確認関係の書類、図面、登記識別情報、固定資産税の通知書、測量図、境界に関する書類、リフォームした際の資料など。全部揃っている必要はありません。ただ、「何が残っていて、どこに保管されているか」を家族の誰かが把握しているだけで、後の確認がかなり楽になります。
昔の家ほど、「家のことは全部お父さんが知っている」「書類はお母さんしか分からない」ということも珍しくありません。元気なうちだからこそ聞けることがあります。
4.前の道路と土地の境界を確認する
これは、吹田で不動産を扱っている私たちとしては、ぜひ確認しておいてほしいところです。
吹田市と一口に言っても、住宅地の成り立ちは地域によってかなり違います。千里ニュータウンのように計画的に整備された住宅地もあれば、JR吹田駅周辺など昔から市街地が形成されてきた地域には、細い道路や昔ながらの土地割りが残っている場所もあります。
普段普通に暮らしている家でも、いざ売却や建替えを考えた際に、
- 「この道は建築基準法上どの道路なのか」
- 「建替えるときにセットバックが必要なのか」
- 「隣地との境界はどこなのか」
といった確認が必要になることがあります。
もちろん、こうしたことを家族だけで調査する必要はありません。お盆に確認するなら、
- 「境界の印ってどこにある?」
- 「昔、隣の人と測量したことある?」
- 「この前の道について何か説明を受けたことある?」
くらいで十分です。こうした昔の経緯を親が覚えているうちに聞いておくことが、後々大きな手掛かりになる場合があります。
5.建物の年齢と修繕履歴を思い出しておく
「この家、築何年やったっけ?」意外と家族でも正確には分からないものです。
さらに確認したいのが、これまで家にどんな工事をしてきたか。屋根を葺き替えた。外壁を塗装した。水回りをリフォームした。増築した。車庫を後から作った。こうした履歴です。特に増改築については、現在の登記や建築関係の資料と建物の現況が一致しているか、後から確認が必要になる場合もあります。
昔の工事なら、「どこの会社に頼んだか」「何年ぐらい前だったか」「図面や領収書が残っているか」などを親が覚えている可能性があります。ここでも完璧な資料作りをする必要はありません。まずは家の履歴を家族で思い出してみるだけで十分です。
6.家族の中で「なんとなくこうする」を共有しておく
ここで初めて、将来の話です。親がこの家に住まなくなったら、誰かが住むのか。貸す可能性があるのか。売却するのか。建て替えるのか。まだ何も決まっていなくても構いません。むしろ、今の段階で無理に決めない方がいいケースもあります。
大切なのは、
- 「長男が住むと思っていた」
- 「みんな売るつもりだと思っていた」
- 「お母さんは家を残したいと言っていた」
という家族それぞれの思い込みを、一度表に出しておくことです。将来、実際に相続が発生してから初めてこの話をすると、家だけではなくさまざまな手続きが重なる中で判断することになります。何も起きていない今だからこそ、冷静に話せることもあります。
7.空き家になった場合、誰が管理するのか考えておく
最後は、意外と見落とされやすいポイントです。親が住まなくなったからといって、その日に家を売却するわけではありません。施設への入居、入院、相続などをきっかけに、しばらく空き家になる可能性もあります。
その間、郵便物を見る人。庭木を確認する人。換気をする人。雨漏りや設備の異常を確認する人。近所から連絡があったときに対応する人。誰が担当するのかを考えておく必要があります。
吹田市でも空き家の相談窓口や空き家バンクを設けています。また、適切に管理されず「管理不全空家等」として指導を受け、さらに勧告に至った場合には、土地に適用されている住宅用地の固定資産税等の特例が解除されることがあります。
だからといって、今から空き家になる心配をしすぎる必要はありません。ただ、「もし誰も住まなくなったら、最初は誰が家を見る?」この一言だけでも家族で話しておくといいと思います。
お盆に全部決めなくていい。まず一つ分かれば十分です
親の家について話すとなると、「相続の話をするみたいで縁起が悪い」「まだ元気なのにそんな話をするのは早い」と感じる方もいると思います。私は、それも自然なことだと思います。
ただ、実際に不動産の相談を受けていると、「あのとき聞いておけばよかった」という言葉を聞くことがあります。家の名義。境界のこと。昔の工事のこと。親が家をどうしたかったのか。急いで決める必要がなかった時には聞けたことが、後になって分からなくなることがあります。
だから今回ご紹介した7つを、お盆休みに全部確認する必要はありません。例えば実家で食事をしているときに、「そういえば、この家って何年に建てたん?」そんな一言からでもいいと思います。そこから昔の家づくりの話になり、リフォームの話になり、いつの間にか「これからこの家どうしようか」という話になるかもしれません。それくらい自然な形で十分です。
アイワホームは吹田で長く住宅と不動産に関わってきましたが、家の相談というのは、新しく家を買うときだけに発生するものではありません。建てた家をどう守るか。親の家をどう引き継ぐか。空き家になった家をどうするか。家族によって答えは違います。そして、まだ答えを出す必要がない段階で相談に来られる方もたくさんいらっしゃいます。
名義や登記の話になれば司法書士、税金の話になれば税理士など、専門家の判断が必要になる場面も出てきます。私たちアイワホームが自社管理するアイワステーションビルには、司法書士法人トータルサポートが事務所を構えています。もともとは弊社の代表取締役ゆかりの事務所を前身とする司法書士法人で、アイワホームとは司法書士・税理士・弁護士の先生方を交えた「不動産相続無料相談会」を定期的に共催しています。「まず不動産会社に聞いてみたら、必要な専門家にそのままつないで貰えた」という形でご相談いただけるのも、こうした関係があるからこそだと思っています。
吹田市でも司法書士による相続・売買・贈与などの登記相談を実施しており、空き家については住宅政策室に相談窓口も設けられています。行政の窓口と、私たちのような地域の不動産会社、両方をうまく使い分けていただければと思います。
「売るかどうかも決めていないんですけど」それで大丈夫です。
このお盆、家族が集まる機会があれば、「この家、これからどうしようか?」と、一度だけ話してみてはいかがでしょうか。何かを決めることよりも、家族みんなが今どう考えているかを知る。親の家について考える最初の一歩は、そこからでいいと思います。
話した内容を整理したい、誰に何を聞けばいいか分からない、というときは、いつでもお気軽にお声がけください。
今 利之(こん・としゆき)
アイワホーム株式会社 マーケティングディレクター
2005年入社、吹田の地で21年。リフォーム・メンテナンス、賃貸、工事部門など、現場の最前線で歩んできました。
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アイワホーム株式会社
本社:大阪府吹田市高浜町9-9 アイワステーションビルⅤ号館
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